2003/03/10 (月)
●「国際アニメ・マンガフォーラム」基調講演。 文化庁主催の「国際アニメ・マンガフォーラム」ってのに行ってきました。どうしてかっていうと,基調講演で富野由悠季監督が出るって聞いたからです。有休とって行きました。もうやる気アリアリです。 丸ビルは何度か行った事あったけど,カンファレンスホールは初めてでした。なんかいいかげんな催しかと勝手に想像して行ったのに,なかなかどうして,Macワールドエキスポのカンファレンスとかよりも仕切りがきっちりしてたんで驚いちゃったよもー。 同時通訳機をもらって場内へ。適当に座ってみたが,あとからどんどん混んできたので,もっと前に座っておけば良かったとちょっと後悔したよ。 開幕して,基調講演の前にまずは主催者とかからの挨拶。文化庁長官といったら河合隼雄だよぉ! 音を観たりしちゃうよこのやろー。んで,ちんまりはこの人をはじめて生で見たんだけど,想像してたより話がつまんなかった。周りの人がだんだんだれてきたところで,マレーシア大使のダト・マルズキ・ビン・モハマッド・ノール閣下が挨拶しました。閣下って,プレゼンテーションに書いてあったんだよ(`Д´)!!! ハイルAG閣下!って感じだったよ。ノール閣下はすぐに弾くのかどうか知らないけど。 Aノ ヽノ ノG |ヽ ハ ル こんなかんじか?
で,やっとやっと基調講演になったよヽ(´∇`)ノ ちんまりの前のやつら3人は待ちくたびれて爆睡こいてたよ。 司会のオネエさんに紹介されて富野監督が登場。最初,演壇にあがって直ぐに自分の席に行ったんだけど,紹介が続いていたので,またステージ中央に戻ってきてみんなに手をふったりお辞儀したりしてくれた。とても元気そうでした。ちなみに服装はけっこうふつうで,黒いスーツ・白シャツ・黒キャップだった。 その次にスーザン・J・ネイピアっていうアメリカ人の女性が紹介されたんだけど,監督はその間も,ステージの後ろの方で立ってお迎えしてたよ。ちなみにこの女の人は,「近代日本のアニメ」ってのを書いた人です。 話の内容は割愛するけど,まあ富野さんにしては脱線せずに話が進んだ方じゃないかと思う。 (書き足したい事があったら↓に追加すると思います。) ぺこり。
●アニメーション,3つの分類 ネイピアさんが最初にプレゼンをしたんだけど,日本のアニメには3つの要素が含まれるっていう分類をみせてくれた。 1)終末論的(エヴァンゲリオン・ウテナ・アキラなど) 2)カーニバル的・無秩序(うる星やつらなど) 3)elegiac的[挽歌](例示された作品メモ忘れ) こういった要素は,海外のアニメに含まれない要素であるというような論調だったと思う。 これについて富野氏は, 1)終末論的なことを入れれば「ものがたり」っぽくなるから。(…彼は,元から終末論的ノリには懐疑的だよね。エヴァ関連のコメントとかを思い出してくれればよいかと) 2)スタッフは自覚的にそれを入れているわけではない。ビジュアルがフェスティバル感覚を持っていただけ。無意識のうちにその要素を入れることができる「作家」は高橋留美子くらいだ。 3)お涙ものだと売れるという商業的理由。また,お涙物は簡単にものがたりを作りやすい。 というような切り方をしていた。 また,上記の3つの視点が提示されてしまうという現状は,まだ日本のアニメのストーリーが「成熟」していないからなのでは?とも。 ネイピアさんは日本のアニメのストーリー性を高く評価してくれたんだけど,彼女が日本のアニメのストーリー性を認識したのは,映画のアキラだったそうだ。(これ言ったとたん,監督的にだめだろーなとちんまりは思ったけど,そのあたりもやっぱつっこんでた。そりゃそうだよな…。) ぺこり。
●同時通訳機 今回のカンファレンスでは同時通訳機をくばってくれたんで,最初の閣下の話のときに早速つかってみたけど,なんか数秒後れで切れ切れの日本語が聞こえてくるから,ナマ英語と,自分の耳で聞いた英語の脳内翻訳と,通訳さんの日本語がまざって気持ち悪くなりそうになった。閣下の英語はさすがにわかりやすかったから,途中からは音量さげて聞いてた。 次に必要になったのはネイピアさんのプレゼンだったんだけど,画面にレジュメが写ってるのでトピックスが先に把握できることから,こっちも推測しながら聞けるんで,そんなに必要なかったです。 今回の通訳は,アニメ的固有名詞が出てくるから,通訳者さんとしては大変だったんじゃないかな。「うる星やつら」とかのメジャー作品はするっと通ってたけど,「少女革命ウテナ」の時に困ってた。「革命的少女…(無言)」とかなってて,心の中で通訳者さんを応援しちゃったよ。「姫宮アンシー」が「姫宮マンシー」って通訳されてました。それぐらいは仕方ないよね。 ぺこり。
●クリエイティブ んで,ちんまりはだいたい,富野さんの話を聞くたびに,クリエイティブに関するはげみとかを貰ってお家に帰るよ。はげみって言っても,なんか甘くてほわほわしたモノじゃなくて,お腹に小石をいっぱい詰められて帰るみたいなかんじだよ。 今日のひとことは「"好き"だけでアニメや映像を作るな」的な意味の話。映像には力があり,そんな気持ちだけで作るべきではないって感じのお話だった。要するに憧れだけでメフィストの国に行ってはいかんのですよ。(←たぶん。) 惜しむらくは,ちんまりは映像の人じゃないんだけど,でも,監督が映像を信じてるのとおなじぐらい,ちんまりだって"それ"を信じてる。だから,またあしたからがんばる。 ぺこり。
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